2024年にロサンゼルス・ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約465億円)という投手史上最高額の契約を結んだ山本由伸選手。
オリックスにドラフト4位・年俸500万円で入団してから、わずか8年で年俸約40億円にまで跳ね上がりました。
本記事では、NPBドラフト4位指名から世界最高峰の投手へと駆け上がった山本由伸選手の年俸推移を、各シーズンの実績とともに詳しく紹介します。
2017年(プロ1年目、19歳)500万円
岡山県出身でありながら、野球に集中するために宮崎・都城高校に入学した山本由伸。
そこで頭角を表し、ドラフト4位指名を受けてオリックス・バファローズに入団。プロ1年目は年俸500万円からキャリアをスタートさせました。
これは支配下選手の最低保障年俸に近い金額で、1,000万円を超えることもあるドラフト上位指名選手と比べれば控えめ。
しかし、8月20日に19歳でプロ初登板を果たすと、初先発で5回1失点6奪三振と好投。その才能の片鱗を見せます。
この年はシーズン終盤に7試合に登板し、1勝1敗、防御率5.32という成績。
身長178cmと投手としては決して大柄ではない体格ながら、最速152km/hのストレートを投げ込む右腕の登場は、オリックスファンに大きな期待を抱かせました。
2018年(プロ2年目、20歳)800万円
2年目の年俸は800万円にアップ。この年、山本由伸選手はリリーフ投手として覚醒します。
中継ぎとして54試合に登板し、4勝2敗32ホールド、防御率2.89をマーク。
最速155km/hまで球速を伸ばし、フォークボールの精度も向上。
救援登板では基本的に1回をしっかり抑える役割で、接戦での信頼感を獲得。
わずか20歳にして、チームに欠かせないセットアッパーとなりました。
2019年(プロ3年目、21歳)4000万円
3年目の年俸は、前年のセットアッパーとしての活躍で一気に4000万円へと5倍の大幅アップ。
この年、山本由伸選手は現在に続く先発転向という大きな転機を迎えます。
20試合に先発登板し、8勝6敗、防御率1.95という素晴らしい成績。プロ入り3年目にして初の最優秀防御率のタイトルを獲得。
21歳での防御率タイトル獲得は異例中の異例で、その才能が本物であることを証明しました。
背番号も18に変更され、チームのエースへの道を歩み始めます。
先発投手としての適性を見出されたこの年が、山本由伸のターニングポイントだったと言えるでしょう。
また、この年は侍ジャパンのメンバーとしてWBSCプレミア12に出場し、中継ぎ投手として5回を自責点1、防御率1.80にまとめ日本の優勝に貢献。
2020年(プロ4年目、22歳)9000万円
年俸は9000万円で迎えたプロ4年目のシーズン。
コロナ禍で短縮シーズンとなった2020年ですが、山本由伸投手は18試合に登板し8勝4敗、防御率2.20という安定した成績を残しました。
2年連続の最優秀防御率は逃したものの(1位は現メッツの千賀滉大)、パ・リーグ最多奪三振のタイトルを獲得。
126回2/3を投げて149奪三振を記録する圧倒的な奪三振率を叩き出しました。
低めにコントロールされた速球と変化球、スプリットの組み合わせは打者にとって打ちようのない球ばかり。三振の山を築きました。
東京オリンピック代表にも選出され、2先発で防御率1.59と国際舞台でも実力を発揮。
2021年(プロ5年目、23歳)1億5000万円
5年目にして遂に大台の1億円を突破し、年俸1億5000万円に。
この年の山本由伸選手は、まさに無双状態。26試合に登板し、18勝5敗、防御率1.39、206奪三振という圧倒的な成績でした。
23歳の若さで史上12人目となる投手四冠(最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率)を達成し、パ・リーグMVP、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞と主要タイトルを総なめ。
オリックスはイチローのいた1996年以来、25年ぶりのリーグ優勝。山本はチームにおいて、エースとして優勝の原動力となりました。
日本球界を代表する投手へと完全に成長を遂げた年といえるでしょう。
2022年(プロ6年目、24歳)3億7000万円
その圧倒的な活躍で、6年目の年俸は一気に3億7000万円(前年の約2.5倍)と大幅アップ。
この金額は当時の日本人投手としてはトップクラスですが、活躍ぶりを考えるとまだまだ安いと言ってもいいくらいかもしれません。
山本由伸選手はこの年も期待に応え、26試合に登板して15勝5敗、防御率1.68、205奪三振という素晴らしい成績を記録。
2年連続で投手四冠を達成したのは史上初。パ・リーグMVP、沢村賞も連続受賞。
2023年(プロ7年目、25歳)6億5000万円
オリックス最終年となった7年目の年俸は、NPBトップタイの6億5000万円。
日本人選手としては2021年の田中将大(9億円)、2021年の菅野智之(8億円)に告ぐ歴代3位の金額となります。
この年、山本由伸選手は前人未到の3年連続投手四冠を達成。
24試合に登板し、16勝6敗、防御率1.21、169奪三振という驚異的な成績。特に防御率1.21は圧巻の数字で、打たれる姿がほとんど想像できないほどの支配力を見せつけました。
パ・リーグMVP、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞をすべて3年連続で受賞し、日本球界の絶対的エースとしての地位を確立。
6月18日と9月9日には2年連続ノーヒットノーランという史上3人目(82年ぶり、2リーグ制以降は初)の快挙も達成しました。
WBCでも日本の14年ぶり世界一に貢献し、シーズン終了後にはポスティングシステムを利用してメジャー移籍を表明しました。
2024年(メジャー1年目、26歳)2,708万ドル(約40億6,200万円)
2023年12月22日、山本由伸選手はロサンゼルス・ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約465億円)という投手史上最高額の契約を結びました。
年平均2,708万ドル(約40億6,200万円)という金額は、前年の日本での年俸6億5000万円の実に6倍以上。
メジャー1年目は3月21日に韓国でのパドレス戦でデビュー。初登板こそ1回5失点と苦しいスタートでしたが、徐々に適応していきました。
しかし6月中旬に右肩腱板損傷で約3ヶ月離脱するアクシデントに見舞われることに。
それでも9月に復帰すると、レギュラーシーズン18試合で7勝2敗、防御率3.00、105奪三振とまずまずの成績を記録。
ポストシーズンではパドレスとの初戦こそ3回5失点でKOされたものの、第5戦では5回無失点の快投。
ワールドシリーズ第2戦でヤンキース相手に6.1回1失点の好投で勝利投手となり、2027年の松坂大輔(レッドソックス)以来の勝ち星を記録。ドジャースの世界一に大きく貢献しました。
26歳でのワールドシリーズ制覇は日本人最年少記録。
2025年(メジャー2年目、27歳)2,708万ドル(約40億6,200万円)
メジャー2年目の2025年は、12年契約の2年目で年俸2,708万ドル(約40億6,200万円)を獲得。
この年は開幕投手を任され、ケガが多かった投手陣の中でシーズンを通して先発ローテーションの柱として活躍しました。
30試合に登板し、12勝8敗、防御率2.49、201奪三振という好成績。
最優秀防御率やサイ・ヤング賞は23歳の怪物スキーンズに阻まれたものの、メジャーでもトップクラスの実力を証明する年となりました。
ポストシーズンではさらに驚異的な活躍を見せ、ワールドシリーズではチームの4勝中3勝を挙げMVPを獲得。
第3戦での中1日ブルペン投球練習、第7戦の中0日での零封・胴上げ投手というあり得ない活躍ぶりはファンやチームメイトの心を打ちました。
押しも押されもせぬドジャースのエース、世界トップクラスの投手としての評価は揺るぎないものに。
「まだメジャーで1球も投げていない投手に12年総額3億2500万ドル(約465億円)は高すぎる」との批判もあった山本ですが、この年でそのような声も皆無に。
年俸40億超でも安すぎるとすら言えるほどの投手へと成長しました。
山本由伸選手の年俸推移一覧表
| 年度 | 年齢 | 所属 | 年俸 | 累計年俸 | 主な成績・タイトル |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年 (プロ1年目) |
19歳 | オリックス | 500万円 | 500万円 | 5試合登板 プロ初勝利 防御率5.32 |
| 2018年 (プロ2年目) |
20歳 | オリックス | 800万円 | 1,300万円 | 50試合登板 32ホールド(リーグ2位) 防御率2.89 |
| 2019年 (プロ3年目) |
21歳 | オリックス | 4,000万円 | 5,300万円 | 8勝6敗 防御率1.95 最優秀防御率 |
| 2020年 (プロ4年目) |
22歳 | オリックス | 9,000万円 | 1億4,300万円 | 8勝4敗 防御率2.20 最多奪三振(149K) |
| 2021年 (プロ5年目) |
23歳 | オリックス | 1億5,000万円 | 2億9,300万円 | 18勝5敗 防御率1.39 投手四冠(勝率・勝利・勝率・奪三振) パ・リーグMVP 沢村賞 |
| 2022年 (プロ6年目) |
24歳 | オリックス | 3億7,000万円 | 6億6,300万円 | 15勝5敗 防御率1.68 2年連続投手四冠・MVP・沢村賞 チーム日本一 |
| 2023年 (プロ7年目) |
25歳 | オリックス | 6億5,000万円 | 13億1,300万円 | 16勝6敗 防御率1.21 3年連続投手四冠・MVP・沢村賞 2年連続ノーヒットノーラン |
| 2024年 (メジャー1年目) |
26歳 | ドジャース | 2,708万ドル (約40億6,200万円) |
53億7,500万円 | 7勝2敗 防御率3.00 ワールドシリーズ優勝 |
| 2025年 (メジャー2年目) |
27歳 | ドジャース | 2,708万ドル (約40億6,200万円) |
94億3,700万円 | 12勝8敗 防御率2.49 201奪三振 ワールドシリーズ2連覇・MVP |
山本由伸選手の年俸推移・生涯年俸 まとめ
まだ27歳という若さで、すでに生涯年俸が94億円を超えている山本由伸。
ドジャースとの契約は2036年まで続くため、契約を完遂すれば37歳時点で総額約478億円というとんでもない金額を稼ぐことになります。
ドラフト4位、年俸500万円からスタートした一人の投手が、わずか8年後には年俸40億円超のメジャーリーガーになる。
この物語は、努力と才能、そして不屈の精神が生み出した現代野球の金字塔と言えるでしょう。
『日本一の投手が、世界一の投手になる』そんな野球ファンの夢を叶えてくれる山本由伸選手。
今後の活躍が楽しみで仕方ありません。

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