日本の歴代総理大臣(首相)在位期間ランキングTOP10

日本の歴代総理大臣(首相)在位期間ランキングTOP10

この記事では、首相の在位期間ランキングTOP10を紹介。

在位期間の長さは安定した政権運営を表している反面、政治的課題やプレッシャーもあるため、首相たちは常に国民の期待と向き合いながら政権を運営してきました。


長期政権を築いた首相は、経済政策や外交政策において大きな影響を及ぼし、国の方向性を決定づけてきました。

一方で、短期政権の首相は、厳しい政治環境の中で果敢にリーダーシップを発揮する場面も見られます。


この記事では、各首相の業績や背景に触れながら、在位期間の長さがいかに日本政治に影響を与えたのかを紐解きます。

第10位 岸信介 1,241日

昭和の妖怪 岸信介

1957年から1960年まで首相を務めた岸信介(きしのぶすけ)は、安保条約改定を強行し大規模な反対運動を引き起こしたことで有名。

戦前は満州国の官僚として活動し、戦後は一貫して保守的な政治家として影響力を持ちました。


安保条約改定を巡っては、国内外で大きな反響を呼びました。

特に、条約改定に伴う反対運動「安保闘争」は、彼の政治キャリアの中で最も激しい局面であった一方、日米関係の強化に貢献した側面もあります。


岸信介は、戦後日本の政治におけるタカ派の象徴とされ、彼の政治スタイルは強烈なリーダーシップが特徴的。

彼の孫である安倍晋三にもその影響が色濃く受け継がれ、長きにわたり日本政治に影響を与え続けています。

第9位 西園寺公望 1,400日

西園寺公望

西園寺公望(さいおんじきんもち)は、明治から大正時代にかけて二度にわたり首相を務め、日本の立憲政治の基盤を確立した人物。

彼は名前から想像するとおり公家出身であり、リベラルな政治家として知られています。

彼の在任中、日本の政党政治が大きく発展し、議会制民主主義の基盤が固まりました。


西園寺は、内政においては政治改革を進めつつ、外交では慎重な姿勢をとり、欧米諸国との関係を重視。

また、彼の柔軟なリーダーシップが、複雑な政治状況を乗り切る鍵となりました。


彼の政治哲学は「文治政治」の推進であり、強権的な手法を取らずに、議会を中心にした協議と妥協による政治運営を目指していました。

この穏健な政治手法が後の日本の政治に多大な影響を与えています。

第8位 池田勇人 1,575日

池田勇人

1960年から1964年にかけて首相を務めた池田勇人(いけだはやと)は、「所得倍増計画」を推進し、日本の経済成長を加速させた人物。

彼のリーダーシップの下、日本は高度経済成長期に突入し、国民の生活水準を大きく向上させました。


彼の政策は、国民生活の向上を最優先に据え、経済拡大を実現することに焦点を当てていたとされます。

教育や社会保障制度の充実を図ると同時に、外交においても安定的な路線を維持した結果、国民からの高い支持を得ることに成功しています。


経済的繁栄を軸にした政策で、日本を世界有数の経済大国へと成長させる節目となった池田政権。

その後の日本の経済基盤を築いた池田の功績は、今でも評価されています。

第7位 中曽根康弘 1,806日

中曽根康弘

1982年から1987年まで首相を務めた中曽根康弘は、戦後の日本政治に大きな影響を与えたひとり。

彼は「戦後政治の総決算」を掲げ行政改革や国鉄の民営化を進めたほか、内政・外交ともに大胆な改革を行い、日本の地位を強化しました。


彼は日米関係の強化にも尽力し、特に当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンとの個人的な信頼関係が「ロン・ヤス」と呼ばれるほどの親密な外交関係を築きました。

これにより、アメリカとの同盟がより強固なものとなり、日本の国際的な立場が確かなものに。


中曽根のリーダーシップは、改革の必要性を強調しつつも、伝統的な価値観を尊重するバランス感覚があったとされます。

その在任中に行われた一連の改革は、現代日本の基盤を形成する重要な要素となっています。

第6位 小泉純一郎 1,980日

小泉純一郎

小泉純一郎は、2001年から2006年までの在任期間に、日本の政治改革を推進した首相。

特に、郵政民営化を掲げた強いリーダーシップで知られ、多くの国民の支持を獲得。

彼の斬新な政治スタイルは「小泉劇場」とも呼ばれ、メディアや国民の関心を集めました。


強引ともいえる手法で郵政民営化法案を成立させるなど、彼の改革は賛否両論を巻き起こしたのも事実。

また、アメリカとの同盟強化を進め、テロ対策特別措置法に基づき自衛隊を派遣するなど、国際的な安全保障にも関与しました。


小泉政権は、日本政治に大きなインパクトを与え、多くの後継者に影響を及ぼしました。

第5位 吉田茂 2,616日

吉田茂

1946年から1954年にかけて5度にわたり首相を務めた吉田茂は、戦後日本の復興を主導した首相。

彼は、日本国憲法の制定やサンフランシスコ平和条約による独立回復に大きく貢献。

特に、「吉田ドクトリン」と呼ばれる外交政策は、日米同盟を基盤とした日本の再建に大きな役割を果たしました。
俗に言う「バカヤロー解散」でも有名。


経済復興に力を入れ、戦後のインフラ整備や工業化を推進。

彼のリーダーシップにより、日本は戦後の廃墟から立ち直り、高度経済成長の土台が築かれました。

また、憲法9条を基にした平和主義を掲げつつも、日米安保条約を通じて日本の安全保障を強化したのも功績のひとつ。


吉田茂の政権は、日本の再生を象徴する時代を築いたと言えます。

第4位 伊藤博文 2,720日

伊藤博文

日本の初代内閣総理大臣である伊藤博文は、憲法の制定や議会制度の確立において重要な役割を果たした人物。

彼は4度にわたって首相を務め、日本の近代国家の礎を築きました。

特に、明治憲法の起草に尽力し、日本の憲政体制を確立させた功績は大。


伊藤は、天皇制と議会制度を調和させるためのバランスを取り、立憲君主制を推進。

外交面では、日清戦争や三国干渉など帝国主義的な政策にも関与し、日本の国際的な地位向上に貢献。

しかし、晩年は韓国統治をめぐる問題で苦難に直面しました。


彼は、1909年に韓国の活動家・安重根に暗殺されるという悲劇的な結末を迎えましたが、その業績は今もなお評価され続けており、日本近代化の父としての地位を確立しています。

第3位 佐藤栄作 2,798日

佐藤栄作

佐藤栄作は、1964年から1972年までの約8年間、戦後日本の首相を務めた人物。

彼の在任期間中、日本は高度経済成長期にあり、インフラ整備や産業政策が推進されました。

また、沖縄返還交渉を成功させたことも、彼の最大の功績の一つとして評価されています。


外交面では日米安保体制を強化しつつも、非核三原則を掲げて平和外交を推進。

特に沖縄返還に関しては、アメリカとの交渉を通じて非核の形での返還を実現し、内外で評価を獲得。

一方で、国内では労働運動や学園紛争などが発生し、社会的な混乱が見られました。


佐藤栄作は、戦後日本の基盤を築いたリーダーとして、その業績が高く評価されています。

ノーベル平和賞を受賞した唯一の日本の首相としても、国際的に名を残しました。

第2位 桂太郎 2,886日

桂太郎

桂太郎は、日露戦争の勝利や韓国併合など、日本の帝国主義時代に大きな影響を与えた人物。

彼は3度にわたり内閣総理大臣を務め、特に第2次桂内閣では政治的な安定を維持しつつ国家建設を進めました。


桂のリーダーシップは、軍人出身の強い統治力が特徴であり、国内の政党政治に対しても対立しつつ統治を強化しました。

一方で、長期政権に伴う反発も強まり、民衆からは「藩閥政治」として批判された面も。


軍事的・外交的な強硬策が多かった桂太郎の政治手法ですが、日本が国際社会での地位を大きく向上させたのもひとつの事実。

その遺産は、後の日本の帝国主義政策にも影響を与えました。

第1位 安倍晋三 3,188日

安倍晋三

安倍晋三は、日本史上最長の在任期間を誇る首相であり、2006年から2007年、2012年から2020年まで二度にわたり首相を務めた人物。

彼の政権では、経済再生を目指した「アベノミクス」が推進され、金融政策や財政政策を通じてデフレ脱却を目指しました。


外交面では、日米同盟を強化し、自由で開かれたインド太平洋戦略を推進。

また、北朝鮮問題や中国との緊張緩和にも取り組んだことが特徴です。

いわゆる保守派、右寄りのスタンスで、国内では憲法改正や防衛力強化が議論の的となりました。


第一次安倍内閣では健康問題により辞任を余儀なくされたものの、第二次安倍内閣から長期にわたって総理大臣を務めた安倍晋三。

在位期間として第1位にランクインする一方、旧統一教会との関係や裏金問題などで支持・反対の声が分かれる人物でもあります。

2022年には奈良県での選挙演説中、統一教会信者を母にもつ男からの銃撃により暗殺されるという悲劇が起きてしまいました。

日本の首相(総理大臣)在位期間ランキングTOP10の一覧

順位 名前 期間
第1位(金メダル)第1位 安倍晋三 3,188日
第2位(銀メダル)第2位 桂太郎 2,886日
第3位(銅メダル)第3位 佐藤栄作 2,798日
第4位 伊藤博文 2,720日
第5位 吉田茂 2,616日
第6位 小泉純一郎 1,980日
第7位 中曽根康弘 1,806日
第8位 池田勇人 1,575日
第9位 西園寺公望 1,400日
第10位 岸信介 1,241日

(出典:歴代総理大臣ランキング 年表とデータで見る – 日本経済新聞

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