空を飛ぶ技術は、20世紀初頭のライト兄弟による初飛行から劇的に進化し、今日では音速（マッハ）を超える飛行機が開発されています。
この記事では、世界最速の飛行機ランキングTOP10を紹介。
これらの航空機は、航空技術の粋を集めたものであり、その速度は驚異的な記録を樹立しています。
最速の飛行機の多くは軍用機や実験機として設計され、その目的は戦闘や偵察、技術開発などさまざま。
超音速を超えるマッハ3以上に達する飛行機も存在し、いまでも現代航空工学の限界への挑戦が続けられています。
この記事では飛行機のスピード競争の歴史や、それぞれの機体がいかにして驚異的な記録を達成したのかを詳しく紹介します。
- 第10位 F-22 Raptor （アメリカ） マッハ2.25
- 第9位 Mig-29 Fulcrum （旧ソ連） マッハ2.3
- 第8位 F-14 Tomcat （アメリカ） マッハ2.34
- 第7位 MiG-23 Flogger （旧ソ連） マッハ2.35
- 第6位 スホーイSu-27 Flanker （旧ソ連） マッハ2.35
- 第5位 F-15 Eagle （アメリカ） マッハ2.5
- 第4位 MiG-31 Foxhound （旧ソ連） マッハ2.83
- 第3位 MiG-25 Foxbat （旧ソ連） マッハ2.83
- 第2位 ロッキードSR-71 Blackbird （アメリカ） マッハ3.3
- 第1位 NASA X-43 （アメリカ） マッハ9.6
- 世界最速の飛行機ランキングTOP10の一覧
第10位 F-22 Raptor （アメリカ） マッハ2.25
F-22ラプターは、アメリカ空軍が開発した第5世代ステルス戦闘機で、最高速度はマッハ2.25（約2,756/h）。
その最大の特徴は、ステルス性能と超音速巡航能力（スーパークルーズ）を兼ね備えている点。
F-22は、敵に発見されることなく目標に接近し、攻撃できる圧倒的な優位性を持っています。
ラプターは空対空戦闘だけでなく、地上攻撃にも高い能力を発揮します。
また、高度なレーダーや電子戦装備により、他の戦闘機では達成できない複雑な作戦を遂行可能。
そのため、アメリカ空軍の主力戦闘機としてのみならず、世界中で最も強力な戦闘機の一つとされています。
F-22ラプターは、今後もアメリカ空軍の制空権維持に欠かせない存在です。
第9位 Mig-29 Fulcrum （旧ソ連） マッハ2.3
MiG-29 Fulcrumは、ソビエト連邦が開発した第4世代戦闘機で、最高速度マッハ2.3（約2,817km/h）を誇る高性能な戦闘機。
優れた機動性と強力なエンジンにより、空中戦での圧倒的な力を発揮し、特に近接空中戦での強さが評価されています。
MiG-29は、F-16やF/A-18といった西側の戦闘機に対抗するために設計され、短距離から中距離での戦闘に優れた性能をもつ機種。
また、その信頼性と耐久性も高く、東側を中心に多くの国で採用されている点が特徴です。
レーダーや兵装システムも優れており、敵航空機との戦闘で非常に効果的。
現代でも多くの空軍で運用されており、そのバランスの取れた性能は長年にわたり高い評価を受け続けています。
第8位 F-14 Tomcat （アメリカ） マッハ2.34
F-14トムキャットは、アメリカ海軍の可変翼艦上戦闘機で、マッハ2.34（約2,866/h）の速度を誇ります。
映画『トップガン』で一躍有名になったこの機体は、対空戦闘と爆撃能力を兼ね備えたマルチロールファイターとして、1970年代から2006年まで運用されました。
F-14の特徴は、可変翼による優れた機動性と、長距離空対空ミサイル「フェニックス」を搭載できる点。
これにより、遠距離での敵機迎撃や、近接戦闘での優れたパフォーマンスを実現しました。
特に海上での防空任務ではその力を発揮し、長期間にわたりアメリカ海軍の主力戦闘機として活躍。
トムキャットは、その独特のデザインと戦闘能力で多くの人々に愛され、航空機ファンにとっても特別な存在となっています。
第7位 MiG-23 Flogger （旧ソ連） マッハ2.35
MiG-23 Floggerは、ソビエト連邦が開発した可変翼戦闘機で、最高速度はマッハ2.35（約2,878km/h）。
MiG-21の後継機として開発され、機動性と速度を兼ね備えたマルチロール戦闘機として、地上攻撃や空対空戦闘で活躍しました。
可変翼機能により、低速でも高機動性を発揮し、超音速域での優れた性能も持ち合わせています。
特に、中距離戦闘に強みを持ち、敵航空機を迎撃する能力が高く評価されていました。
MiG-23は、その汎用性と耐久性から、冷戦時代のソ連軍の主力戦闘機の一つとなり、世界中で運用されました。
冷戦が集結したこと、また各国の予算の関係や経年劣化により、MiG-23の多くは既に退役しています。
第6位 スホーイSu-27 Flanker （旧ソ連） マッハ2.35
スホーイSu-27 Flankerは、ソビエト連邦が開発した制空戦闘機で、マッハ2.35（約2,878km/h）の速度を持つ高機動戦闘機です。
優れた機動性と高度な空対空戦闘能力を誇り、アメリカのF-15イーグルに対抗する目的で設計されました。
この機体は、優れた操縦性能を持ち、特に近接空中戦において圧倒的な強さを発揮。
大型の機体にもかかわらず、高度な機動を可能にする設計が特徴で、多くの国で運用されています。
Su-27は、その後のロシア戦闘機の基礎となる設計であり、派生型が多数存在。
現代の空中戦でも強力な戦力を維持しています。
第5位 F-15 Eagle （アメリカ） マッハ2.5
F-15イーグルは、アメリカ空軍が誇る制空戦闘機で、マッハ2.5（約3,062/h）の速度を達成する高性能機。
1970年代に初飛行し、その高い機動性と速度、優れた空対空戦闘能力により、空中戦での無敗記録を保持していることでも知られています。
優れたレーダーと強力な兵装を持ち、敵航空機を素早く捕捉し、撃墜する能力に優れたF-15。
その信頼性と高い戦闘力により、長年にわたりアメリカ空軍の主力戦闘機として運用されています。
世界中の戦闘機の中でも、そのバランスの取れた設計と実戦での実績は他に類を見ず、制空戦闘機の代表格としての地位を確立しています。
第4位 MiG-31 Foxhound （旧ソ連） マッハ2.83
MiG-31 Foxhound interceptor pic.twitter.com/PNipmw1Br5
— Vodka 🧊 (@vodk_anon) August 4, 2023
MiG-31 Foxhoundは、マッハ2.83（約3,466/h）の速度を誇る、MiG-25の後継機として開発された迎撃機。
高高度での飛行能力に加え、長距離迎撃ミッションに特化した設計が特徴。
冷戦後期に登場し、現在でもロシア空軍で活躍しています。
Foxhoundは、優れたレーダーシステムと長距離ミサイルを装備しており、敵の航空機や巡航ミサイルを早期に発見し、迎撃する能力を保持。
また、夜間や悪天候でも効果的に作戦を遂行できる機能が強化されています。
第3位 MiG-25 Foxbat （旧ソ連） マッハ2.83
Günaydın.
Mig-25 ("Foxbat") / Mig-25P
Mig OKB tasarın bürosu tarafından geliştirilen uçak av/önleme ve keşif görevlerini yapabilecek şekilde tasarlanmıştı.
Özellikle Amerikan SR-71 gibi yüksek hızlı keşif uçaklarını durdurmak için geliştirilen uçak, yüksek hızda ısınan gövde… pic.twitter.com/DjL4L9tWfj
— Jülyana Asanj 🇹🇷 (@julyinasanj) May 25, 2024
MiG-25 Foxbatは、ソビエト連邦が開発した迎撃機で、最高速度マッハ2.83（約3,466/h）を誇る高速機として知られています。
冷戦時代に、西側諸国の戦闘機や偵察機に対抗するために開発され、特にSR-71 Blackbirdに対抗する目的で導入されました。
この機体は、驚異的なスピードと高高度飛行能力を持ち、敵の爆撃機やミサイルを迎撃するための強力な兵器として機能。
ただし、最高速度での飛行はエンジンに過度の負担をかけるため、長時間の超音速飛行は限られていました。
MiG-25は、そのスピードと破壊力でソ連の軍事力を象徴する存在となり、冷戦時代の航空技術の競争を象徴する機体の一つです。
第2位 ロッキードSR-71 Blackbird （アメリカ） マッハ3.3
ロッキードSR-71 Blackbirdは、マッハ3.3（約4,042km/h）という驚異的な速度を誇る偵察機で、冷戦時代にアメリカ空軍で活躍しました。
その高速と高高度飛行能力により、敵地の上空を飛行しながらも撃墜されることがほとんど無かったとのこと。
独特なステルスデザインも特徴的です。
SR-71は、敵の防空網をすり抜け、偵察ミッションを遂行するために設計されました。
主にソビエト連邦上空でのミッションが知られており、地上の防空システムから逃れるため、30km以上の高度で飛行することが可能。
退役した後も、その革新的な技術と驚異的な速度により、航空技術の発展に大きな影響を与えました。
今でも、スピードの速い戦闘機の代表格として多くの人々に記憶されています。
第1位 NASA X-43 （アメリカ） マッハ9.6
The NASA X-43 was an experimental unmanned hypersonic aircraft with multiple planned scale variations meant to test various aspects of hypersonic flight. It was part of the X-plane series Top speed: 7,366 mph
Engine type: Scramjet
Altitude: about 110,000 feet pic.twitter.com/rkn6KGZzbA— Chris Craft (@ChrisCraftUSA) February 17, 2023
NASA X-43は、最高速度マッハ9.6（約11,760km/h）という驚異的な記録を達成した航空史上最速の無人実験機。
この超音速実験機はスクラムジェットエンジンを搭載し、航空技術の限界に挑戦するために開発されました。
地球大気中での最高速度記録を打ち立てたことは、航空史に残る大きな功績です。
極超音速飛行の実現に向けた研究の一環として、2004年にNASAによって打ち上げられたX-43。
小型の無人機ながら、空気を使った燃焼エンジンを使用することで、ロケットのような推進力を持つ新たな可能性を探りました。
X-43は、航空技術の最前線に立った実験機としてその名を刻んでいます。
世界最速の飛行機ランキングTOP10の一覧
| 順位 | 名称 | 国名 | 速度 |
|---|---|---|---|
 第1位
|
NASA X-43 | アメリカ | マッハ9.6 |
 第2位
|
ロッキードSR-71 Blackbird | アメリカ | マッハ3.3 |
 第3位
|
MiG-25 Foxbat | 旧ソ連 | マッハ2.83 |
| 第4位 | MiG-31 Foxhound | 旧ソ連 | マッハ2.83 |
| 第5位 | F-15 Eagle | アメリカ | マッハ2.5 |
| 第6位 | スホーイSu-27 Flanker | 旧ソ連 | マッハ2.35 |
| 第7位 | MiG-23 Flogger | 旧ソ連 | マッハ2.35 |
| 第8位 | F-14 Tomcat | アメリカ | マッハ2.34 |
| 第9位 | Mig-29 Fulcrum | 旧ソ連 | マッハ2.3 |
| 第10位 | F-22 Raptor | アメリカ | マッハ2.25 |
（出典：The top 10 fastest jets in the world 2024 – BBC Science Focus Magazine）
