海の世界には、驚くべきスピードで泳ぐ魚たちが存在します。
その敏捷さは、捕食者から逃れるため、あるいは獲物を追いかけるために進化してきました。
この記事では、世界最速の魚トップ10を紹介します。
これらの魚は、その速さだけでなく、美しいフォルムも特徴的。トップクラスになると、瞬間的な速度は時速100km/hを超えることも。
長年の自然淘汰と適応の歴史を生き抜いた魚たちが、いかに優れたハンターであり生存者なのかを実感できるランキングです。
第10位 トビウオ 56km/h
トビウオは、その名の通り、水面を飛ぶように滑空することで知られる魚。
ときに時速56キロメートルほどのスピードで泳ぎ、敵から逃れるために水面を飛び出すという独特の習性を持っています。
長い胸びれを使って水面上を滑空することで「飛ぶ」のがトビウオ。
飛距離は数十メートルにも及ぶことがあり、海面を跳ねる姿は非常にダイナミックです。
トビウオは、アジアの食文化でも重要な存在。
日本では「アゴ」と呼ばれ、だしを取る材料として近年とくに人気があります。
第9位 メカジキ 64km/h
メカジキは、その鋭い「剣」のような顎が特徴的な大型の魚。
時速64キロメートルで泳ぐことができる驚異的な速さを誇ります。
大きな体を持ちながら、このスピードで海中を駆け抜ける姿は圧巻のひとこと。
メカジキは主に温暖な海域に生息し、その敏捷さとパワーで獲物を追いかけます。
獲物を鋭い剣のような顎で攻撃し、一撃で捕らえる姿は、海のハンターと呼ぶにふさわしい。
メカジキは食用としても高く評価されており、その肉は刺身やステーキとして世界中で楽しまれています。
第8位 ソトイワシ 64km/h
ソトイワシは、スマートな体型と群れで泳ぐ習性が特徴的な魚。
時速60キロメートルを超えるスピードで泳ぎ、海洋生態系において非常に重要な役割を果たしています。
ソトイワシはしばしば大型の捕食者から逃れるために群れを形成し、その素早い動きで集団防衛を行います。
また、他の魚を追いかけて海面に跳ねる姿は、海釣りの愛好家にとっても見どころの一つ。
ソトイワシは、料理にも利用されることがあり、焼き物や煮物として人気があります。
第7位 ヨシキリザメ 69km/h
ヨシキリザメは、サメの中でも最速の泳ぎを誇り、時速70キロメートル以上で泳ぐことができます。その鋭い歯とスリムな体型が特徴で、強力なハンターとして知られています。
このサメは、温暖な海域に生息し、そのスピードと敏捷性で獲物を追い詰めます。特に小型の魚やイカを主食とし、海洋の頂点捕食者の一つとして君臨しています。また、その驚異的なジャンプ力で水面を飛び出す姿は、まさに海のアスリートです。
商業的には高級食材として利用され、特にステーキなどで提供されることが多いです。ヨシキリザメは、速さと力を兼ね備えた、海洋生態系の重要な一員です。
第6位 タイセイヨウクロマグロ 70km/h
タイセイヨウクロマグロは、時速70キロメートル以上で泳ぐことができる大型の回遊魚。
特にその筋肉質な体型が水中での高速移動を可能にしています。
タイセイヨウクロマグロは深い海を長距離にわたって移動し、サバやイワシなどの小魚を捕食します。
食用としても貴重な魚ながら、その力強く素早い動きは漁師にとっても難しいターゲット。
特に日本では高級食材として非常に人気があり、寿司や刺身に欠かせない存在です。
タイセイヨウクロマグロは、漁獲量の制限や保護活動が進む中で、今もなおその存在感を放っています。
第5位 アオザメ 74km/h
アオザメは、鋭い青色の体色を持ち海中を優雅に泳ぐサメの一種。
スリムで流線型の体型から最高時速70キロメートル以上のスピードを生み出し、主に中型魚やイカを捕食します。
アオザメはその広い行動範囲も特徴で、冷たい海域から温暖な海域まで幅広く生息しています。
特に長い胸びれを使った滑らかな泳ぎは優雅なもの。
アオザメは、重要な漁獲資源である一方で乱獲が懸念されており、保護の対象にもなっています。
第4位 カマスサワラ 78km/h
カマスサワラは、時速75キロメートル以上のスピードで泳ぐ鋭い歯と流線型の体を持つ魚。
この魚は、俊敏な動きとパワフルなスプリントで知られており、主に小型の魚を捕らえます。
カマスサワラは熱帯から温帯の海域に生息し、沿岸部やサンゴ礁の周りでよく見られます。
その素早い動きと鋭い視覚により、獲物を素早く捕える姿は圧巻。
特に、透明な海でその狩りを目にすることは、多くのダイバーにとって見どころと言えるでしょう。
食用としても人気があり、よくグリルやフライにして食されます。
第3位 マカジキ 80km/h
マカジキは、全長約3メートルにもなる大型のカジキ。
時速80キロメートルを超えるスピードで泳ぎ、長い吻(ふん)を武器に海中を滑らかに泳ぎながら獲物を突くのが特徴。
主に温暖な海域に生息し、移動範囲が広いことでも知られるマカジキ。
その泳ぎは優雅でありながら驚異的なスピードをもち、小魚やイカを主食としています。
スポーツフィッシングの対象としても非常に人気があり、釣り人にとっては挑戦的なターゲットとなっています。
第2位 バショウカジキ 110km/h
バショウカジキは、時速100キロメートル以上という驚異的なスピードで泳ぐ世界最速クラスの魚。
名前の由来になっているのが、その大きな背びれ(帆)。
この背びれを使って、獲物を追い詰める際に水中を素早く切り裂きます。
バショウカジキは熱帯や亜熱帯の海域に生息し、その俊敏な動きで小魚やイカを捕らえます。
時折見せる背びれを広げた姿は美しく、海面近くを泳ぐ姿はダイナミック。
スポーツフィッシングでも非常に人気がある魚でもあります。
第1位 クロカジキ 129km/h
クロカジキは、全長4メートルを超えることもある大型のカジキ。
最高時速で129キロメートルを記録した、海のスプリンター。
その特徴的な長い吻と、力強く流線型の体が、海中での高速移動を可能にしています。
熱帯から温帯の海域に広く分布しているクロカジキは、力強いジャンプと素早い泳ぎで、捕食者をかわしながら狩りを成功させる熟練のハンター。
特に、追跡中に見せる躍動感あふれる泳ぎは圧巻です。
クロカジキはスポーツフィッシングでも非常に人気が高く、その捕獲は釣り人にとって大きな名誉とされています。
世界最速の魚ランキングTOP10の一覧
順位 | 魚名 | 最高時速 |
---|---|---|
第1位 | クロカジキ | 129km/h |
第2位 | バショウカジキ | 110km/h |
第3位 | マカジキ | 80km/h |
第4位 | カマスサワラ | 78km/h |
第5位 | アオザメ | 74km/h |
第6位 | タイセイヨウクロマグロ | 70km/h |
第7位 | ヨシキリザメ | 69km/h |
第8位 | ソトイワシ | 64km/h |
第9位 | メカジキ | 64km/h |
第10位 | トビウオ | 56km/h |
(出典:Top 10: What are the fastest fish in the world? – BBC Science Focus Magazine)